前回ご紹介した基礎工事が終わって、土台据え、そして棟上げに入っていきます。
土台据えとは、建物の基礎コンクリートの立ち上がりに土台を設置して大引という床を支える木材を組んでいく作業です。これでは1階床の骨組みを作る作業で、基礎工事と同様に重要な工程であり、建物の安定性や耐久性に直接影響を与えます。土台は湿気を避けなければならないため、基礎コンクリートに直接置くことができません。
そのため、基礎コンクリートの上に、床下の換気を考慮した暖衝材である基礎パッキンを設置してから木材を設置します。このようにして、床下の換気を確保しつつ、建物の骨組みをしっかりと作り上げます。
土台据えの作業は、墨出しから始まります。墨出しとは、コンクリートの基礎部分に尺杖と呼ばれる道具を使って、図面の情報を元に工事の下地となる印を付けていく作業のことです。簡単に言うと、誰もが分かるように机上の設計図を現場の原寸大に描いていくということですね。墨出し作業は、建物の基礎部分の設置に関わる重要な作業であり、正確さが求められます。
棟上げは、建物の構造材を組み立てる作業で、基礎の上に土台を設置し、その上に柱を立てていく作業のことです。この時に大切なことは、設計図通りにしっかり組み立てられているか、接合部分が強固になっているかです。この工程は、建物の骨組みを完成させる重要な工程で、建物の形が決まってくるため、正確で精密さを求められます。
1階の梁が完成したら、2階の床下地となる構造用合板を貼っていきます。この構造用合板は、2階の床の下地で、この上に床の仕上げ材が施工して2階の床が完成します。構造用合板は、建物の耐荷重性を確保するために重要な役割を果たします。梁と構造用合板の組み合わせにより、建物全体の安定性が向上し、床の強度がより高まります。
筋交いもしっかり入れていきます。筋交いとは、建物を補強する部材のことで、柱と柱の間に斜めに入れます。建物は、垂直な柱だけでは横からの力に弱いため、筋交いを入れることにより、より強固に建物を守ります。地震や強風時の横揺れにも対処し、耐震性能にも優れています。
2階床下部分に断熱材を敷き詰めていきます。断熱材は、気密性を高め、室内の熱の出入りを制御します。通常、1階と2階の間の断熱材は、入れなくても大丈夫なのですが、2階の床から室内等の物音が1階に響くこともあります。断熱材は外気を遮断してくれるだけでなく音も吸収してくれるため、防音対策として断熱材を入れる場合があります。これにより2階の足音などを軽減してくれます。
建物の2階部分に構造用合板を設置後、2階の間仕切り壁を建てる作業に入ります。建物の2階では、梁や胴差しといった横架材を組み立てていきます。これにより、2階の部分の骨組みがしっかりと完成し、建物の上部が整えられます。
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