今回は某事務所さまより「老朽化が進んだ事務所を一新したい」とのご依頼をいただきました。日々の業務を支える大切な空間ですが、天井や床、壁の傷みが目立ち、このままでは快適に利用できない状況でした。
本改修レポートは三回に分けてご紹介します。まずは「前編」として、解体後の様子から軽天下地の組み立て、断熱材の施工、壁ボード貼りまで、“空間の骨格”をつくる工事の流れをお伝えします。ぜひご覧ください。
工事前の現場は、まだ既存の状態が残るがらんとした室内です。これから大規模な改装が始まるにあたり、まずは全体のレイアウトや配管位置を確認し、必要な資材の搬入や工程の準備が行います。工事前の段階では「どの部分を解体し、どこに新たな骨組みを組み立てるか」を明確にすることが重要で、工事全体のスタート地点として欠かせないプロセスとなります。
まず空間を支える骨組みを組んでいきます。骨組みには木材を使う場合と鉄骨を使う場合があり、それぞれ特徴が異なります。木材は加工がしやすく小規模な住宅や部分補修に向いていますが、湿気や乾燥による反りが出やすいという面もあります。一方で鉄骨(軽天)は歪みにくく、精度の高い下地をつくれるため、事務所や店舗など広い空間をしっかり支える改修工事に適しています。今回は鉄骨を採用し、このあと断熱材やボードを取り付けるための基盤を整えていきます。
組み上げた軽天をさらに細かく配置し、壁や天井のラインを整えていきます。鉄骨のフレームをしっかり組み合わせることで、最終的に壁や天井がきれいに仕上がるよう調整することができます。軽天は石膏ボードやクロスといった仕上げ材を支える「見えない土台」です。耐火性や遮音性を高める役割もあり、空間の質を底上げする大切な工程となります。
天井には断熱材を敷き込み、室内の快適性を高めます。断熱材とは、グラスウールや発泡系の素材などでつくられた“熱を通しにくい材料”のことです。外気の熱を遮断して、夏の暑さや冬の寒さが室内に伝わりにくくなります。その結果、冷暖房の効きが良くなり、光熱費の削減にもつながります。ふだん目にすることはありませんが、家や建物の使い心地を大きく左右する重要な建材です。
には石膏ボードを貼り付けていきます。石膏ボードとは、石膏を主成分とし、その両面を特殊な板紙で覆って板状に成形した建築材料です。クロスや塗装の下地になるだけでなく、不燃材料である石膏を使っているため、火災時の延焼を遅らせる耐火性能を備えています。また遮音性にも優れ、室内の快適性を高める役割も果たします。さらに、ボードを複数枚重ねたり厚みのあるタイプを用いたりすることで、これらの性能を一層高めることが可能です。石膏ボードは、仕上げの土台であると同時に、建物の安全性と居住性を支える大切な建材といえます。
次に、天井にエアコンや照明を設置するための下地を整えます。この段階で配線や開口部をあらかじめ確保し、後の施工をスムーズに進められるよう準備します。天井埋込型エアコンは、室内の空気をムラなく循環させるため冷暖房効率が高まり、さらに壁掛け式に比べてスペースを取らないのが大きなメリットです。設置にあたっては、室内機と室外機を冷媒ガスの配管で接続する必要があり、その配管経路を天井裏に通します。軽天下地の場合も梁に相当する鉄骨材が組まれているため、配管が干渉しないよう室外機の位置を考えながら設置します。
仕上げには「ジプトーン」と呼ばれる天井材を採用しました。縞模様のように不規則な小さな穴があいたデザインが特徴で、オフィスや商業施設などでよく使われているため、「あ、この天井見たことある!」と思う方も多いはずです。専用ビスで取り付けるためネジが目立ちにくく、仕上がりがすっきりするのもメリット。さらに不燃材として認められており、防火性能に優れているので安心して使える素材です。クロス貼りなどの仕上げを必要とせず、そのままで空間を清潔に見せられる点も、広く採用されている理由のひとつです。
✨次回予告✨
次回「中編」では、床下地の工事やタイルカーペットの施工、さらにトイレや洗面スペースの下地づくりといった“日常を支える内装工事”をご紹介します。完成に向けて空間が少しずつ形になる様子を、ぜひご覧ください。
私たちヤマコーは、これまでに新築店舗・店舗リフォームのご依頼を数多くいただいております。
業種は多岐に渡り、焼肉店、居酒屋、マッサージ店、ネットカフェ、歯科医院など、他にも数多くの業種による幅広い実績を持ちます。
私たちが多業種のオーナー様に選ばれ続けている3つの理由
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