


お盆になると、帰省した家族や親戚が集まり、いつもより家の中がにぎやかになります。
食事をする人数が増えれば、キッチンで料理をしたり食器を洗ったりする回数も増えます。トイレを使う回数が増え、お風呂やシャワーも順番に使うことになるでしょう。
そんなときに起こることがあるのが、水廻りのトラブルです。
「昨日までは普通に流れていたのに、急にトイレが詰まった」
「キッチンからゴボゴボと変な音がする」
「お風呂を使っていたら、お湯の温度がおかしくなった」
突然のことに見えますが、実はお盆に家族が増えたことだけが原因とは限りません。
普段より水廻りを使う回数や量が増えたことで、少しずつ進んでいた排水管の汚れや設備の劣化など、これまで気づかなかった不調が一気に表面化することがあります。
今回は、お盆に起こりやすい水廻りトラブルとその理由、いざというときに家庭でできる応急処置、業者へ相談した方がよい症状についてご紹介します。
人数が増えると、水廻りへの負担も一気に増えます
例えば普段2人で暮らしている家に、子どもや孫が帰省して5人、6人になったとします。
人数が増えれば、単純にトイレを使う回数が増えるだけではありません。
料理する量が増え、洗う食器も増える。お風呂やシャワーを続けて使い、タオルや衣類が増えて洗濯機を回す回数も増える。
つまり、家のさまざまな場所で、いつもより多くの水を使い、排水することになります。
正常な状態であれば、人数が増えただけで水廻りに問題が起こるわけではありません。
ところが、排水管の中に汚れがたまって流れる道が狭くなっていたり、設備に劣化があったりすると、普段の使用量では問題がなくても、一度に多くの水を使ったときに不調が現れることがあります。
「お盆になった途端に壊れた」と思っていても、実際にはそれ以前から小さなサインが出ていたというケースもあります。
家族が集まるお盆は、水廻りの普段見えていなかった不調に気づきやすい時期でもあるのです。
トイレがうまく流れないと、「もう一度流せば流れるかも」とレバーを回したくなります。
しかし、便器の水位が高くなっているときに繰り返し水を流すと、便器から水があふれてしまうことがあります。
まずは追加で水を流さず、便器の中の水位を確認しましょう。
トイレットペーパーなどによる軽い詰まりであれば、ラバーカップ、いわゆる「シュポシュポ」で改善する場合があります。
このとき大切なのは、便器に合った種類のラバーカップを使用することです。排水口にしっかり密着させ、ゆっくり押してから勢いよく引くことで、詰まりを動かします。
ただし、何度試しても改善しない場合は、無理に続けないようにしましょう。
また、トイレットペーパー以外の物を流した可能性がある場合は注意が必要です。無理に押し流そうとすると、異物が排水管のさらに奥へ移動し、かえって取り出しにくくなることがあります。
そして、今回突然詰まったように見えても、
「以前から流れが弱かった」
「流したあとにゴボゴボと音がしていた」
「一度で流れきらないことがあった」
という場合は、すでに排水に何らかの問題が起きていた可能性があります。
お盆に使用回数が増えたことで、それまでの小さな不調が「詰まり」という形で現れたのかもしれません。
完全に水が流れなくなる前に現れやすいのが、排水のスピードや音の変化です。
キッチンでは油脂や細かな食べ物のカス、洗面所では髪の毛や石けんカスなどが排水管に入り込みます。
もちろん排水口にはゴミ受けなどがありますが、細かな汚れまで完全に防ぐことはできません。長い年月をかけて排水管の内側に汚れが付着すると、水が通る部分が少しずつ狭くなっていきます。
そこで普段より大量の水を流すと、
「水が引くまで時間がかかる」
「ゴボゴボと音がする」
「排水口から嫌なにおいがする」
といった変化が現れることがあります。
まだ水が流れているからといって、必ずしも問題がないとは限りません。
まずは排水口のゴミ受けや、取り外せる範囲の部品を掃除してみましょう。目に見える髪の毛や汚れを取り除くだけで改善することもあります。
一方、市販の薬剤を必要以上に使用したり、針金や器具を排水管の奥まで無理に差し込んだりするのはおすすめできません。
排水管や部品を傷めたり、詰まっている物をさらに奥へ押し込んでしまったりすることがあるからです。
掃除してもすぐに流れが悪くなる、複数の場所で同じような症状が出る場合は、見える部分より奥に原因がある可能性も考えられます。
水漏れが起こったときは、原因を探すよりも先に、水が出続けないようにすることが大切です。
蛇口やトイレなどには、設備ごとに水を止めるための「止水栓」が設けられていることがあります。
トイレの場合は、便器の近くの壁や床から出ている給水管の途中に止水栓が付いていることが一般的です。
洗面台やキッチンでは、収納部分の中に給水管と止水栓がある場合があります。
水漏れしている設備の止水栓が分かる場合は、そこを閉めて水を止めます。
場所が分からない、水が止まらない、漏れている場所を特定できない場合は、家全体の水を止める「元栓」を閉める方法もあります。
水を止めたら、タオルやバケツなどを使って床や家具などが濡れるのを防ぎます。
特に床まで水が広がっている場合は、そのままにしておくと床材や下地まで水が入り込むことがあります。
水漏れそのものは小さくても、周囲への被害が大きくなる前に対応することが大切です。
水漏れは突然起こります。
いざというときになってから元栓を探すと、それだけ水が流れ続ける時間が長くなってしまいます。
戸建て住宅では、屋外の地面にあるメーターボックスの中に水道メーターと元栓が設置されていることが一般的です。
何も起きていないときに、一度場所を確認しておくだけでも安心です。
お盆に家族が集まると、お風呂やシャワーを続けて使うことが増えます。
その際、
「お湯になるまで時間がかかる」
「設定した温度にならない」
「途中で温度が変わる」
「給湯器のリモコンにエラーが表示された」
などの症状が出ることがあります。
複数の場所で同時にお湯を使用したときなど、使い方によって一時的に湯量や温度に変化が出ることもあります。
一方で、給湯器自体の不具合や劣化が原因となっている場合もあるため、「今日は人数が多いから」と決めつけるのは禁物です。
特に覚えておきたいのが、給湯器のリモコンに表示されるエラーコードです。
エラーが出た場合は、すぐに表示を消してしまうのではなく、番号をメモしたりスマートフォンで写真を撮ったりして残しておきましょう。
業者へ相談するときにエラーコードを伝えることで、状況を確認する手掛かりになります。
何度も同じエラーが出る、異音や異臭がする、お湯がまったく出ないなどの場合は、使用を続けず専門業者へ相談しましょう。
水廻りのトラブルで注意したいのは、一時的に症状がなくなることがある点です。
例えば、流れが悪かった排水口が翌日には普通に流れていると、「直った」と思ってしまうかもしれません。しかし、排水管の奥に汚れや詰まりが残っていれば、再び同じ症状が起こる可能性があります。
特に、次のような症状がある場合は注意しましょう。
・同じトイレや排水口が何度も詰まる
・複数の排水口からゴボゴボと音がする
・排水口から水が逆流する
・掃除してもすぐに流れが悪くなる
・水を使っていないのに水漏れしている
・床や壁まで濡れている
・給湯器のエラーが繰り返し表示される
こうした症状がある場合、目に見える部分だけではなく、排水管や給水管、設備本体などに原因があることも考えられます。
特に、水が止まらない、排水が逆流している、床や壁まで水が広がっているといった場合は、放置すると建物まで傷めてしまうため、早めの対応が必要です。
一方、止水栓や元栓を閉めることで水を止められる場合は、まず被害が広がらない状態にしてから業者へ相談しましょう。お盆などの休日や夜間は、通常とは異なる料金設定になっている業者もあるため、緊急性が低い場合は、依頼前に出張費や追加料金の有無を確認しておくと安心です。
応急処置は、あくまで被害を広げないための一時的な対応です。同じ症状を繰り返している場合は、「今回は直ったから」と終わらせず、一度原因を確認しておくことが大切です。
水廻りの不調は、完全に使えなくなってから突然始まるとは限りません。
その前に、小さな変化が現れていることがあります。
家族や親戚が集まる予定があるときは、少しだけ水廻りを確認してみましょう。
□ トイレは一度でいつも通り流れるか
□ キッチンや洗面の排水はスムーズか
□ 排水するときにゴボゴボと変な音がしないか
□ 排水口からいつもと違うにおいがしないか
□ 蛇口やトイレの周囲に水がにじんでいないか
□ 給湯器にエラーが表示されていないか
□ 止水栓や水道の元栓がどこにあるか分かっているか
特別な道具を使って点検する必要はありません。
大切なのは、「いつもと同じか」を見ることです。
普段毎日使っている場所だからこそ、流れる速さや音、においなどの小さな違いに気づけることがあります。
お盆だから水廻りが壊れるわけではありません。
家族が集まってトイレやキッチン、お風呂、洗面などを使う回数が増えることで、それまで気づかなかった不調が表面に出やすくなります。
トイレの流れが少し悪い。排水口からゴボゴボと音がする。蛇口から水がにじんでいる。
普段なら「まだ使えるから」と見過ごしてしまうような小さな変化も、水廻りからのサインのひとつです。
もちろん、軽い詰まりや目に見える汚れなど、家庭で対応できることもあります。
一方で、何度も同じ症状を繰り返す場合や、排水の逆流、水漏れ、給湯器のエラーなどが続く場合は、応急処置だけで済ませず原因を確認することが大切です。
家族が集まるお盆。
にぎやかな時間を楽しむとともに、いつもより少しだけ水廻りの音や流れ方にも目を向けてみてください。
そこで気づいた小さな異変が、大きなトラブルを防ぐきっかけになるかもしれません。
私たちヤマコーでは大工を経験し、その後、現場監督・設計デザインに携わっているスタッフが在籍しております。
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