実家で親と同居する前に知っておきたい リノベ・リフォームポイント10選|後悔しないための考え方

実家で親と同居する前に知っておきたい リノベ・リフォームポイント10選|後悔しないための考え方

親の高齢化や実家の老朽化をきっかけに「実家で親と同居する」という選択肢を考えるご家庭が増えています。建て替えよりも費用を抑えやすく、住み慣れた環境を活かせる点は大きな魅力です。
しかし一方で、同居リノベーションは単なる住宅改修ではありません。生活リズムや価値観の違い、将来の介護、費用分担など、事前に整理しておかないと暮らし始めてからストレスや後悔につながるケースがあるのです。
特に多いのが、「住めるようにはしたけれど、暮らしにくい」「人間関係がギクシャクしてしまった」という声です。これは工事の良し悪しではなく、計画段階での考え方が十分でなかったことが原因で起こることが多いといえます。
同居リノベで本当に大切なのは、間取りや設備の新しさよりも、家族それぞれが無理なく暮らせる環境をつくることです。
この記事では、実家で親と同居する際に押さえておきたいリノベ・リフォームのポイントを10項目に分けてわかりやすく整理しました。
これから同居を検討されている方が、後悔のない判断をするための参考になれば幸いです。

生活動線は「完全共有」か「ゆるく分ける」か

同居リノベで最初に考えるべきなのが、生活動線をどこまで共有するかという点です。
玄関やリビング、水廻りをすべて共有するのか、それとも世帯ごとに分けるのか。この判断が曖昧なまま進むと、暮らし始めてから小さな不満が積み重なりやすくなります。
例えば、玄関を完全に共有すると顔を合わせる機会は増えますが、外出時間や来客対応が重なると気を遣う場面も出てきます。一方で、完全に分けると工事費は上がりますが、生活リズムの違いによるストレスは減らしやすくなります。
大切なのは「どちらが正解か」ではなく、ご家族様に合った距離感を見極めることです。
中途半端な共有が一番トラブルになりやすいため、どこを共有し、どこを分けるのかを事前に明確にしておくことが重要です。
図面を見ながら生活の流れを具体的に想像し、話し合いを重ねた上で決めていきましょう。

玄関に年配の夫婦、リビングに若夫婦と子供がいる写真

水廻り(トイレ・洗面・お風呂)は最優先で見直す

水廻りは、同居生活の快適さを大きく左右する重要なポイントです。朝や夜など、使う時間帯が重なりやすいため、少しの不便が大きなストレスにつながることがあります。
特にトイレは可能であれば2カ所設けることを検討したい設備です。1カ所だけの場合、混雑や気遣いが日常的に発生しやすくなります。また洗面スペースも、同時に使える広さがあるかどうかで使い勝手は大きく変わります。
お風呂については、将来の介助も見据えた広さや手すりの位置、段差の少なさが重要です。今は必要なくても、後から工事を追加するより、同居リノベのタイミングでまとめて整えておくことで、将来の負担を減らすことにつながります。

ユニットバスの写真

音のストレス対策(床・壁・寝室の位置)

同居で意外と多い悩みが「音」に関する問題です。
足音、テレビの音、生活時間帯の違いによる物音など、音は目に見えない分、我慢が続きやすいポイントでもあります。
高額な防音工事をしなくても、間取りの工夫で軽減できるケースは少なくありません。例えば、寝室の上下に生活音が出やすい部屋を配置しない、階段や廊下をクッション代わりに使うなど、設計段階での配慮が効果的です。
床材を遮音性の高いものに変更したり、壁の中に吸音材を入れたりすることで、体感的な静かさは大きく変わります。
音の問題は我慢するものと考えず、事前に対策を検討しておくことが大切です。

二階で年配の夫婦が寝ていて、リビングに若夫婦と子供がいる写真

親世帯・子世帯それぞれの「居場所」をつくる

同居生活では、常に一緒にいることが良い関係につながるとは限りません。むしろ、それぞれが気兼ねなく過ごせる「居場所」を持つことが、長く穏やかな同居につながります。
親世帯にも子世帯にも、落ち着いて過ごせるスペースを確保することで、自然と距離感が保たれます。リビングを分けるほどでなくても、個室や小さなセカンドリビングのような空間があるだけで、気持ちの余裕は大きく変わります。
逃げ場があることで必要なときに助け合い、無理なときには距離を取ることができます。同居リノベでは、こうした心理的な快適さも意識した間取りづくりが重要です。

和室に年配の父親、リビングに若夫婦と子供がいる写真

段差・階段・廊下の安全対策は「今」やる

安全対策は、将来のためではなく「今から」必要なものとして考えたいポイントです。段差や階段、廊下の幅、照明計画などは、日常の安心感に直結します。
手すりを付けるだけでなく、そもそも段差を減らす、滑りにくい床材を選ぶ、夜間でも足元が見えやすい照明を設置するなど、複合的な対策が大切です。特に築年数の経った実家では、当時の基準のままになっていることが多く、注意が必要です。
同居リノベの段階で安全対策を行っておくことで、将来の大がかりな介護リフォームを減らすことにもつながります。

手摺の付いた室内階段の写真

断熱・寒さ対策は必須(特に築30年以上)

実家リノベで多く聞かれるのが「とにかく寒い」という悩みです。長年住んでいる親世帯は寒さに慣れている場合もありますが、体への負担は決して小さいものではありません。
断熱性能を高めることで冬の寒さだけでなく夏の暑さも和らぎ、冷暖房費の負担も軽くなります。窓の断熱改修や床・天井の断熱など、部分的な工事でも体感は大きく変わります。
特に浴室や脱衣所の温度差は健康面でも注意が必要です。同居をきっかけに、住まい全体の温熱環境を見直すことは安心して暮らすための大切なポイントです。

雪が積もった年季の入っている家の外観の写真

収納は「世帯ごと」に分ける

収納は、価値観の違いが表れやすい部分です。物の量や使い方、捨てる・残すの考え方は世帯ごとに異なります。
共有収納を多くしすぎると、「勝手に触られた」「片付け方が違う」といった不満が生まれやすくなります。そのため、基本は世帯ごとに収納を分け、共有部分は最低限にするのがおすすめです。
また、親世帯の思い出の品や長年使ってきた物をどう扱うかも、事前に話し合っておくことが大切です。収納計画は、人間関係を円滑に保つための重要な要素といえます。

左に親世代、右に若い夫婦の収納を分けている写真

将来の介護を見据えた間取りの余白

今すぐ介護が必要でなくても、将来の変化に対応できる余白を残しておくことは大切です。用途を固定しすぎない間取りにしておくことで、生活スタイルが変わったときにも柔軟に対応できます。
例えば、和室や多目的スペースを設けておくことで、介護が必要になった際の寝室や家族の待機スペースとして使うことができます。また、動線をシンプルにしておくことで介助する側の負担も軽くなります。
同居リノベでは「今だけでなく、数年後」を想像しながら計画することが、長く安心して暮らすためのポイントです。

将来の介護を見据えたイラスト

費用分担・名義・将来のお金の話は最初に整理

同居リノベでは、工事費用を誰がどのように負担するのかを明確にしておくことを欠かさないようにしましょう。曖昧なまま進めると後から不満や誤解が生まれる原因になります。
また、建物の名義や将来の相続についても可能な範囲で整理しておくことが安心につながります。リフォームをきっかけに家族間でお金の話をするのは勇気がいりますが、避けて通れないポイントです。
建築会社に相談しながら進めることで後々のトラブルを防ぐことができます。

木製の家模型とおもちゃのお金、電卓で費用計画を表した写真

同居する「目的」を家族で共有してから工事する

最後に最も大切なのが、同居する目的を家族全員で共有することです。親のためなのか、子世帯のためなのか、将来の安心のためなのか。この目的がずれていると、どんなに立派なリノベをしても満足度は下がってしまいます。
工事の内容を決める前に、なぜ同居するのか、どんな暮らしを目指したいのかを言葉にして確認しておきましょう。
この話し合いこそが、後悔しない同居リノベの土台になります

家族がテーブルを囲み、同居の暮らしについて話し合う様子のイラスト

最後に忘れずチェックしたい|同居リノベで使える補助金・支援制度

親の実家での同居リノベーションでは、工事内容によってさまざまな支援制度が関係してくる場合があります。省エネ改修やバリアフリー改修を支援する国の制度、介護保険による住宅改修、自治体独自の同居・近居支援など、複数の制度が重なるケースもあります。
ここでは、同居リノベと関わりの深い制度を種類ごとに整理して見ていきましょう。

補助金と書かれた文字と人のイラストの写真

国の住宅リフォームに関する補助制度(省エネ・性能向上)

国の住宅関連補助制度では、住宅の性能を高めるリフォームを対象とした支援が継続的に行われています。
断熱性能を高める工事や高効率な設備への交換などは、同居リノベと相性の良い内容です。特に築年数の経った実家では、断熱性や省エネ性能が現在の基準に比べて低い場合が多く、こうした改修は暮らしの快適さを大きく左右します。
2026年に向けても省エネ性能の向上を後押しする方向性は示されており、制度そのものは継続される見込みです。
ただし、制度の名称や補助内容、対象となる工事の範囲は年度ごとに見直されるため、具体的な条件は必ず事前に確認することが大切です。

バリアフリー改修に関する支援制度

親との同居リノベで特に関係が深いのが、バリアフリー改修を対象とした支援制度です。
手すりの設置や段差の解消、出入口や廊下の幅を広げる工事などは、高齢のご家族様が安心して暮らすために欠かせない要素です。
これらの工事は、国の制度だけでなく、自治体独自の支援や介護保険制度と関係する場合もあります。制度によって対象となる工事内容や上限額は異なるため、「まとめて使える」とは限りませんが、複数の制度を組み合わせて検討できる可能性があります。
同居を機に安全性を高めたいと考えている場合は、早い段階で制度の有無を確認しておくと安心です。

介護保険による住宅改修

介護保険による住宅改修は、要支援・要介護認定を受けている方が対象となる制度です。
手すりの設置や段差解消など、日常生活に直接関わる工事が対象となり、同居リノベの内容と重なる部分も少なくありません。ただし、すべてのリフォーム工事が対象になるわけではなく、工事内容や金額には上限があります。また、原則として工事前に申請し、認められた内容のみが対象となります。
将来的に介護が必要になる可能性がある場合でも、現時点で対象になるかどうかは状況によって異なるため、ケアマネジャーや自治体窓口への相談が重要です。

自治体独自の同居・近居支援制度(滋賀県大津市・京都市の考え方)

自治体によっては、親世帯との同居や近居を支援する独自の補助制度を設けている場合があります。内容は地域によって大きく異なり、リフォーム費用の一部を補助するものや定住促進を目的とした支援などさまざまです。
ここでは、滋賀県大津市と京都市を例に、制度の考え方や確認のポイントを整理してみましょう。

地図と資料、家模型で支援制度を表現した写真

大津市

子育て世帯や若年世帯の定住促進、高齢者の住環境改善といった観点から、住宅改修や住み替えを後押しする施策が用意されてきました。
同居リノベーションそのものを直接対象とするかどうかは年度や制度によって異なりますが、バリアフリー改修や省エネ改修と組み合わせて活用できる可能性がある点が特徴です。
大津市の場合、市独自の制度に加えて県の支援策が重なることもあるため、市と県の両方を確認しておくことが重要です。

琵琶湖を望む景色と家模型で地域性を表した写真

京都市

既存住宅の活用や空き家対策、都心部での居住継続を重視した施策が多く見られます。
親の実家を活かして同居するケースでは、耐震改修や省エネ改修、長寿命化を目的とした工事が制度の対象になることがあります。ただし、景観や建築規制が厳しい地域も多いため、補助制度の条件とあわせて工事内容そのものが要件を満たすかどうかの確認をするようにしましょう。

京都の町並みと家模型で住環境を示す写真

地域ごとの制度の違いを理解することが大切です

このように、大津市と京都市では支援の方向性や制度の組み立て方に違いがあります。全国共通の制度だけで判断せず、「お住まいの市ではどのような支援が用意されているか」「同居(または近居)に関係する要件があるか」を前提に情報を集めることが、制度を無理なく活用するための第一歩になります。

日本地図と家模型で地域差を表した写真

補助金を検討する際の注意点

補助金や支援制度を活用する際に最も注意したいのが申請のタイミングです。
多くの制度では、工事前の申請や事前確認が必須となっており、工事が始まってからでは申請できない場合があります。また、制度を前提に計画を立ててしまうと、条件に合わなかった場合に計画そのものを見直す必要が出てくることもあります。
まずは暮らしの目的や必要な工事内容を整理し、その上で使える制度があれば取り入れる、という順番で考えることが大切です。

カレンダーと家模型で計画時期を示す写真

まとめ

親の実家での同居リノベーションは、住まいを整えるだけでなく、家族の関係性を見つめ直す機会でもあります。間取りや設備だけに目を向けるのではなく、生活動線や距離感、将来の変化まで含めて考えることが大切です。
今回ご紹介したポイントを意識しながら、ご家族様にとって無理のない同居の形を検討してみてください。丁寧な準備と話し合いが、安心して長く暮らせる住まいにつながります。

考えがまとまり、前向きな結論に至る様子を表した写真

最も大切なことは安心して任せられるリフォーム会社であること

私たちヤマコーでは大工を経験し、その後、現場監督・設計デザインに携わっているスタッフが在籍しております。
そのため「家の造り方」を知り尽くしており、お客様の大切な家の長期的なアフターフォローも含めて、家をトータルでサポートするサービスを提供しております。
私たちヤマコーは、その場のリフォームに満足していただくだけではなく、安心してお住まいになるために長期的なサポートをしております。

大切な家のリフォームを安心して任せられる会社であるために3つの大切にしていること
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リフォームをお考えの際には是非一度ヤマコーへご相談ください。

ご連絡先
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お問い合わせフォーム

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取締役 山下 大輔

有限会社ヤマコー

取締役 山下 大輔

私は元大工で、大工だった父の一番弟子でした。
父の下で建築やリフォーム、マンションや店舗の改装など、さまざまな現場で経験を積みました。
その経験をもとに、店舗や戸建て住宅の建築やリフォーム、リノベーションも多く手がけております。
お客様に良い家を提供したいという想いをこれからもヤマコーで実践していきます。

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