京都府宇治市の寺院より依頼を受けた観音堂改修工事。老朽化が進み、耐震性や快適性の低下が課題となっていました。前編では基礎や床下の補強をご紹介しましたが、中編では外壁や断熱、天井や内部下地といった建物の骨格を整える工程に進みます。伝統を守りながら現代の性能を加える施工の流れをご覧ください。
外壁の骨組みを整え、窓や出入口となるサッシ(窓枠)を取り付けました。建物の形を決める重要な作業であり、断熱性や気密性を高める第一歩でもあります。今回採用したサッシ(窓枠)は耐久性に優れ、外気の影響を受けにくい仕様。観音堂のように多くの人が集まる場所では、内部環境の快適性が参拝者の過ごしやすさに直結します。外壁下地とサッシ(窓枠)の施工を経て、観音堂の外観が少しずつ形を帯びてきました。
外壁に耐力面材「ラスカット」というモルタルを密着させる下地パネルを張り付け、耐震性と防火性を強化しました。ラスカットは地震の揺れに対して壁全体で力を受け止められる素材で、さらにモルタル仕上げにも対応できる下地材です。寺院のような木造建築では、構造の強さと防火性能を両立させることが重要。ラスカット施工は、寺院改修においても安全性を担保するために欠かせない工程です。
壁や床に断熱材を敷き込み、外気の影響を抑える工事を行いました。寺院は集会や法要で多くの人が集まるため、冷暖房効率を高める断熱工事は欠かせません。また、冷暖房効率を高めることは快適性と省エネにつながる上、壁や床に断熱材を敷き込むことで、外気の影響を抑え、夏は涼しく冬は暖かい環境を保つことが出来ます。さらに気密性も同時に向上させることで、湿気や結露の発生を抑え、木材の劣化を防いで建物の寿命を延ばしてくれるため、建物自体の耐久性も向上します。
天井を支える吊木や野縁を組み、仕上げ材を張るための基盤を整えました。観音堂の天井は見上げると印象的な空間となるため、下地の精度が仕上がりに大きく影響します。梁との取り合いを調整しながら施工を行い、将来的な歪みを防ぐ工夫も取り入れました。この段階で天井裏の断熱や配線スペースも確保していきます。
床に合板を敷き込み、水平を調整して安定した床面をつくりました。床下地は畳や仕上げ材を施工する前段階として欠かせない工程です。強度と耐久性のある合板を採用することで、長期にわたり安心して使える床を実現。観音堂のように多くの人が集まる場所では、床の安定性が利用者の安全に直結するため、丁寧な施工が求められます。
窓まわりや壁に木枠を取り付け、内部の下地を整えました。まだ仕上げ前の状態ですが、この段階で下地をしっかり組むことで、建具や壁材の取り付けがスムーズになります。特に窓まわりは歪みが出やすいため、細かな調整を重ねて施工しました。下地は完成後には見えませんが、仕上がりの美しさと長期的な安定性を支える重要な役割を果たします。
雨風を防ぐ庇(ひさし)の骨組みを造作しました。庇は建物の外観を引き締めるだけでなく、雨水の侵入を防ぐ大切な役割を担います。木材を加工して取り付け、後の屋根仕上げに備えました。庇があることで参拝者が出入りする際に雨を避けやすくなり、建物の耐久性向上にもつながります。観音堂改修において、外部庇は意匠性と実用性を兼ね備えた大切な部分です。
✨次回予告✨
次回「後編」では、建具枠や欄間、格子造作といった意匠の仕上げをご紹介します。伝統的な日本建築ならではの美しさが随所に現れる工程をぜひご覧ください。
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