今回は京都府の某歯科医院様より、ベランダFRP防水工事をご依頼いただきましたので、ご紹介いたします。ベランダの床は、日常的に紫外線や風雨にさらされるため、素材によってはひび割れや剥がれが生じることがあります。そのため、劣化が進行すると、雨水が浸入し、建物内部に影響を及ぼす可能性があります。特に、木材や塗装された表面は、定期的な点検とメンテナンスが必要です。今回は防水工事の工程についてご紹介いたします。ぜひご覧ください。
FRP防水施工されたベランダやバルコニーは、時間の経過とともに塗装が剥がれてくることがあります。FRP防水の表面には、高い硬化性と優れた耐摩耗性を持つポリエステル系のトップコートが使用されていますが、紫外線や経年劣化の影響を受けることで、次第に表面が劣化し、ひび割れや剥がれが見られるようになります。このような劣化は、特に直射日光が当たる場所や、雨風にさらされる場所は、特に早く見られます。トップコートは本来、FRP防水層を保護する役割を果たしていますが、長期間の使用によりその機能が低下してしまうのです。紫外線による影響は特に大きいため、ポリエステル系の素材が劣化し、表面がパリパリとした状態になってしまいます。このような状態になると、見た目が悪くなるだけでなく、防水性能にも影響が出てくるのです。
まず最初に、高圧洗浄でベランダに付着した汚れやカビをしっかりと洗い流します。この作業は、表面を清潔に保つために非常に重要です。次に、サンディングという作業に入ります。サンディングとは、電動グラインダーで塗装する表面を細かく傷つけて凹凸を作ることにより、次に塗る塗料が凹みに入りやすくする作業のことです。この作業により、塗装が剥がれにくくなる上、密着力を強化して、新しい防水層がしっかりと接着しやすくなります。その後、アセトンという溶剤を使用して、表面に残っているワックス成分を取り除きます。アセトンは油分を分解する特性があり、しっかりワックスを除去してくれるのです。ワックスが残っていると、新しい塗料がうまく密着せず、剥がれやすくなってしまうため、この作業は防水工事の中でも特に重要です。
下準備が終わったら、プライマーを塗布していきます。プライマーは、防水層とトップコートの間に強力な接着力を生み出す役割を果たしてくれます。プライマーを塗布することにより、塗布した防水材が基材にしっかりと密着し、長期間、耐久性を保つことができます。ローラーや刷毛を使って丁寧に塗布していきます。均一に塗布するためには、ローラーを使うのが効果的です。ローラーを使うことで、広い面積をスムーズに塗ることができ、ムラなく仕上げることができます。また、角や隅の部分は塗り残しがないように注意します。その時の気温や湿度も計算しながら、プライマーが乾燥するまでの時間も考慮しつつ塗布していきます。
特に角や隅の部分は、塗り残しがあると水漏れや雨漏りの原因となるため、細心の注意が必要です。また、プライマーが付着してはいけない場所には、あらかじめマスキングテープで養生をしておくことも大切です。養生をしたら、プライマーを塗布した後、乾いてしまう前に剥がすようにします。
プライマーが乾いたらトップコートを塗布していきます。FRP防水は耐久性と強度を併せ持つ防水施工方法で、トップコートを塗布することにより、より一層防水性能がアップします。トップコートは、FRP防水層の上に塗布される仕上げ材で、主に紫外線や気象条件からFRP層を守る役割を担っています。紫外線による劣化や、雨水、風、温度変化などの外的要因からFRPを保護することで、長期間にわたって防水性能を維持します。また、トップコートは滑り止め効果を持つものもあり、安全性を高めるために重要です。FRP防水層をしっかりと乾燥させ、その上に均一にトップコートを塗布します。塗布後は、乾燥時間を守ることが重要で、適切な乾燥が行われることで、トップコートの性能が最大限に発揮されます。
完全に乾いたら、作業終了です。FRP防水は、非常に密閉性が高く、水分の侵入を防ぐ能力に優れているため、雨水や湿気から建物をしっかりと守ることができ、長期間、防水効果を維持します。また、重い荷物や衝撃に対しても耐えることができる強度もある上、摩擦に対しても強いため、歩行や車両の通行による損傷を受けにくいことも大きなメリットです。さらに、FRP防水は軽量であるため、施工時の負担が少なく、建物への影響も最小限に抑えられます。軽量であるということは、築年数が経っている建物の改修工事などにもおススメできます。お客様にとって一番嬉しいのが、工期が短いという点です。FRP防水は、塗膜の乾燥待ちが少ないため、工事期間を短縮することができます。これにより、施工後すぐに使用を開始できるため、特に商業施設などでは大きなポイントとなります。ベランダの防水工事を10年以上していない方は、この機会に一度ベランダをチェックしてみましょう。
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