京都府宇治市の寺院より「老朽化が進んだ観音堂を改修してほしい」とのご依頼をいただきました。地域の人々が集い、法要や祈りを捧げる大切な空間ですが、基礎や床組みの傷みが進み、このままでは安心して利用できません。本記事「前編」では、解体から基礎補強、床下地づくりといった建物を支える土台工事をご紹介します。ぜひご覧ください。
既存の畳や床材を撤去し、観音堂内部を骨組みの状態に戻しました。柱や梁は残す必要があるため、傷つけないように注意しながら作業を実施します。解体は壊す作業であると同時に「現状の診断」。どこに補強が必要かを見極める大切な工程です。
天井を解体して、内部の梁の状態を確認しました。梁は建物の重みを支える重要部分で、劣化が進んでいれば補強が欠かせません。格天井という碁盤の目のように組まれた伝統的な天井や、化粧梁のある寺院では、慎重な解体が必要です。梁に歪みや劣化がないかを見極め、この後の補強計画につなげます。
壁を解体し、柱や下地材を露出させました。湿気による腐食やカビが潜んでいる場合があるため、この段階で劣化を発見し、新しい材料に交換します。建具や欄間という建具上の装飾パネルを取り付けるための寸法確認もでき、次の工事に備えられます。
床下にブロックやコンクリートを追加し、大引きという床を支える太い横木を組み直しました。床の沈み込みやきしみを防ぐための重要な工程で、特に参拝者が集まる観音堂では耐久性の確保が欠かせません。湿気に強い木材を使用することで長期的な安心につながります。
観音堂の入口部分で、古くなった土間タイルをはつり取りました。「はつり」とは、コンクリートやタイルを削ったり壊したりする作業のことです。今回は新しいタイルを貼る前の準備として行いました。ひび割れや浮きが見られる古いタイルをきれいに除去することで、次の仕上げに使うタイルがしっかり密着し、耐久性と美観が向上します。参拝者が必ず通る入口部分だからこそ、安全で清潔な仕上がりに整えることが重要です。
建具や外壁を支えるブロック基礎を築きました。水平と高さを正確に調整しながら施工することで、建具の建付けや外壁仕上げが安定します。特に玄関まわりは参拝者が多く通るため、耐久性を重視して施工しました。
腐食した柱の下部を切り取り、新しい木材を継ぎ足す「根継ぎ工事」を行いました。これは柱下端部分の柱脚という部分の傷みを補強する伝統工法で、これにより柱全体の強度を回復させ、建物の安定性を確保します。柱の補強は長期的に建物を守るための重要な工程です。
✨次回予告✨
次回「中編」では、骨組みの加工や断熱材の施工、さらに外壁や庇といった外装工事をご紹介します。伝統建築を守りながら快適性を高める工夫をぜひご覧ください。
私たちヤマコーは、これまでに新築店舗・店舗リフォームのご依頼を数多くいただいております。
業種は多岐に渡り、焼肉店、居酒屋、マッサージ店、ネットカフェ、歯科医院など、他にも数多くの業種による幅広い実績を持ちます。
私たちが多業種のオーナー様に選ばれ続けている3つの理由
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ヤマコーには大工を経験し、その後、現場監督・設計デザインに携わっているスタッフが在籍しています。
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現場の進捗をオーナー様と随時確認し、ご要望において「できるかできないか」の回答をその場でお答えすることが可能であり、構造上「できない」と判断した場合は、オーナー様の納得のいくご提案をいたします。
その現場力こそが業種という垣根を越えて、私たちヤマコーが選ばれ続けている理由です。
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