• 現場レポート

側溝まわり土間コンクリートの崩れを徹底調査・補修|外構補強工事施工事例

今回は、京都市のY様邸より側溝土間補修工事のご依頼をいただきました。玄関前や側溝にかかるコンクリートの土間は、毎日何気なく踏みしめている場所だからこそ、劣化に気づきにくい部分です。
お客様から「玄関前の土間が崩れそうで不安」という話をお聞きし、現地を確認すると、表面では分かりにくい内部の劣化が進み、実際に崩落が起きている状態でした。
この記事では、この記事では、なぜ側溝まわりの土間は傷みやすいのか、そして補修を長持ちさせるために、どんな判断と工程が必要だったのかをご紹介します。
「コンクリートは丈夫だから大丈夫」と思っている方こそ、ぜひご覧ください。

工事前の状況確認|「見た目は大丈夫」が一番危険な状態

工事前の現場では、玄関前の側溝にかかる土間部分が割れ、内部が空洞になっていました。
コンクリートは表面が残っていると「まだ使えそう」に見えがちですが、実際には内部から劣化が進む素材です。特に側溝まわりは、水分が常に近くにあるため、コンクリート内部に水が入り込みやすく、知らないうちに強度が低下していきます。
今回も、表面だけを見ると部分的な補修で済みそうに見えましたが、実際に確認すると内部は想像以上に傷んでいました。この状態を放置すると、突然崩れて転倒する危険があり、結果的に補修範囲がさらに広がるケースも少なくありません。

劣化部分の解体作業|残すか壊すかは「構造」で判断

最初に行ったのは、劣化したコンクリート部分の解体です。
この工程で大切なのは、「見た目が残せるか」ではなく、「構造として機能しているかどうか」を基準に判断することです。
よくある失敗として、表面だけを削って新しいコンクリートを重ねる方法があります。しかし、内部に水を含んだ弱いコンクリートが残っていると、数年以内に同じ場所で再び割れや沈みが起きてしまいます。
今回は、割れ方や内部の状態を確認しながら、再利用できない部分は思い切って撤去しました。結果として内部の空洞がはっきりと確認でき、「部分補修では不十分な状態だった」ことが明確になりました。

既存土間のカット作業|補修後に割れにくくするための処理

解体後は、補修範囲の周囲を電動工具でカットし、形を整えていきます。
この作業は仕上がりをきれいにするためではなく、補修後に割れにくい状態をつくるための工程です。
コンクリートは、角や不揃いな部分に力が集中しやすい性質があります。既存の土間を不規則な形のまま残して打ち足すと、つなぎ目に負荷がかかり、ひび割れの原因になります。
あらかじめ補修範囲を明確にし、切り口を整えることで、新旧コンクリートが均等に力を受ける状態を作ります。こうした下地処理の有無が、補修後の持ちの差として表れます。

差し筋アンカー用の穴あけ|補修を長持ちさせるための判断

ここからが、補修工事の中でも特に重要な工程です。
既存のコンクリートに、差し筋アンカーを入れるための穴を開けていきます。
差し筋アンカーは、新しく打つコンクリートと既存部分を構造的につなぐための鉄筋です。これを入れずに補修すると、新旧コンクリートが別々に動き、ひび割れや段差が発生しやすくなります。
今回は、既存土間の状態を確認しながら、鉄筋がしっかり効く位置と深さを見極めて穴あけを行いました。この工程を省くと、見た目はきれいでも数年後に同じトラブルが起きる可能性が高くなります。

差し筋アンカーの設置|補修部分の寿命を決める工程

穴あけ後は、差し筋アンカーを1本ずつ確実に固定していきます。
アンカーは「入っていれば良い」わけではなく、抜けない状態まで効かせることが重要です。
玄関前の土間は、人の出入りだけでなく、車の振動や荷重も伝わりやすい場所です。アンカーの固定が甘いと、コンクリートが硬化する過程や使用中にズレが生じ、再び割れの原因になります。
完成後には見えなくなる部分ですが、補修後の安定感は、この工程でほぼ決まると言っても過言ではありません。

配筋・下地工事|荷重を受け止めるための構造づくり

差し筋アンカーの設置後、新しく打つコンクリート部分には鉄筋を組み、下地を整えていきます。この工程の目的は、コンクリートをただ固めることではなく、日常的にかかる荷重や振動を面で受け止められる構造をつくることです。玄関前の土間は、人の出入りだけでなく、荷物の持ち運びや車の振動も伝わりやすい場所です。鉄筋の配置や結束が不十分だと、力が一点に集中し、ひび割れや沈みの原因になります。また、側溝にかかる補修では下が空洞になりやすいため、下地を安定させてコンクリートの厚みを確保することが重要です。見えなくなる部分ですが、ここで構造をつくっておくことで、補修後の安心感と耐久性が大きく変わります。

型枠の設置|仕上がりと使い勝手を左右する調整

差し筋アンカー設置後、型枠を組んでいきます。
型枠はコンクリートの形を作るだけでなく、高さや勾配を決める役割もあります。
玄関前は、わずかな段差や水勾配の違いが、つまずきや水たまりにつながります。既存の道路や門まわりとの関係を確認しながら、完成後に違和感が出ないよう調整しました。
この段階での判断が、完成後の使いやすさを左右します。

コンクリートの材料準備|用途に合わせた配合

コンクリートは、セメント・砂利・水を混ぜて作ります。
配合のバランスによって、強度や施工性が大きく変わるため、用途に合わせた調整が欠かせません。
今回は、玄関前という日常的に使われる場所であることを考慮し、強度と仕上がりのバランスを重視しました。状態を見ながら、水分量を調整し、流し込みやすく、かつ強度が確保できる配合にしています。

コンクリート打設|隙間を作らないための工夫

準備が整ったら、型枠内にコンクリートを流し込みます。
一度に流すのではなく、差し筋アンカーの周囲までしっかり行き渡るよう、少しずつ詰めていきます。
内部に空洞が残ると、後々沈みや割れの原因になるため、この工程では特に注意が必要です。見た目以上に、経験が問われる作業です。

養生期間|補修を長持ちさせるための時間

打設後は、表面をならして仕上げます。
玄関前は毎日使う場所のため、見た目だけでなく、歩きやすさや安全性も重要です。
また、コンクリートは、時間をかけて固まることで本来の強度を発揮します。
人が歩けるようになるまで約3日、車が通る場合は約1週間ほど養生期間を設けました。
この期間を守ることで、ひび割れや強度不足を防ぎ、長持ちする補修につながります。

工事完了|安心して使える玄関まわりへ

補修工事が完了し、側溝まわりの土間はしっかりとした状態に生まれ変わりました。
ぐらつきや不安が解消され、日常の出入りも安心して行えるようになっています。
コンクリートの補修は、見た目を整えるだけでは意味がありません。
どこまで撤去するか、どうつなぐか、水の流れをどう考えるか。こうした判断の積み重ねが、補修後の持ちを大きく左右します。
特に側溝まわりや玄関前は、水と荷重の影響を受けやすい場所です。小さなひび割れや欠けでも、内部では劣化が進んでいることがあります。
「まだ使えそう」と思ったときこそ、一度状態を確認することが、結果的に大きな工事を防ぐことにつながります。

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