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床下収納庫と床下点検口の違いとは?|設置前に考えておきたいポイント

キッチンや洗面室の床にある四角いフタ。
普段は収納として使っている方もいれば、何のためにあるのかあまり意識したことがないという方もいらっしゃるかもしれません。
実はこの設備には、「床下収納庫」と「床下点検口」の2種類があります。
見た目はよく似ていますが、役割や構造には違いがあります。
新築やリフォームの打ち合わせでは、間取りや設備機器に目が向きがちです。ですが、こうした小さな設備こそ、住み始めてから使い勝手の差が出ることがあります。
今回は、意外と知られていない床下収納庫と床下点検口の違い、そして設置場所を考える際のポイントをご紹介します。

床下点検口って本当に必要なの?

床下点検口は、建築基準法で必ず設置しなければならない設備というわけではありません。それでも多くの住宅で採用されているのは、住まいを維持していくうえで大切な役割があるからです。
床下には、給排水管や電気配線、断熱材、基礎など、家を支える重要な部分が集まっています。普段は目にすることがありませんが、配管の漏水やシロアリ被害、湿気による木材の傷みなどは、床下で起こることも少なくありません。
例えば、水道料金が急に上がったり、床がふわふわするように感じたりしたとき。原因を確認するためには床下を見る必要があります。
その入口になるのが床下点検口です。
もし点検口がなければ、状況によっては床を一部開口して確認しなければならないこともあります。普段は使わなくても、いざというときに役立つ。そんな保険のような設備ともいえるかもしれません。

床下収納庫は収納だけではありません

床下収納庫というと、洗剤や食品のストックを入れる場所というイメージが強いと思います。もちろん、その使い方で間違いありません。ただ、多くの床下収納庫は収納と点検口を兼ねた構造になっています。収納ボックスを取り外すと、その下に床下へ入るための開口部が現れます。つまり、収納スペースであると同時に、床下へ入るための入口でもあるのです。
洗面室やキッチンに設置されることが多いのは、収納として使いやすいだけでなく、水回りの配管点検もしやすいからです。
収納を増やしながら点検もしやすくなる。そう考えると、なかなか合理的な設備ですね。

床下点検口は後から収納庫にできる?

ここで知っておきたいのが、見た目が似ていても構造は同じではないという点です。
床下収納庫と床下点検口は、見た目だけではほとんど区別がつきません。
そのため、「収納ボックスだけ買えば後から付けられるのでは?」と思われることがあります。
ところが、実際はそう簡単ではありません。
床下収納庫には、収納ボックスを支えるための受け部分があります。一方、床下点検口には、その受け部分がありません。
そのため、収納ボックスを買い足すだけでは取り付けられません。
後から収納庫に変更する場合は、枠ごと交換する工事が必要になるケースがあります。床材や設置状況によって工事内容は変わりますが、「箱だけ買って取り付ける」というイメージとは少し異なります。
だからこそ、新築やリフォームの打ち合わせ段階で考えておくことが大切です。

床下収納庫が向いているご家庭

床下収納庫が活躍しやすいのは、収納スペースを少しでも増やしたいご家庭です。
例えば、次のようなケースです。

・洗剤や柔軟剤のストックが多い
・非常食や防災用品を保管したい
・まとめ買いをすることが多い
・パントリーがない、または小さい

特に洗面室は意外と物が増えやすい場所です。
収納家具を増やすと通路が狭くなってしまいますが、床下収納なら空間を圧迫せずに収納量を増やせます。最近では、防災用品や備蓄品の保管場所として活用されるケースも増えています。普段は使わないけれど必要な物をまとめて収納できるため、限られたスペースを有効活用したいご家庭には相性の良い設備です。

床下点検口だけで十分なご家庭

一方で、

・パントリーが充実している
・収納スペースに余裕がある
・床下点検の機能だけあれば十分

という場合は、床下点検口のみでも問題ありません。収納を増やすことが、必ずしも正解とは限りません。
家全体の収納計画ができているなら、点検機能を優先するという考え方もあります。迷ったときは、「将来ここを収納として使う可能性があるか」を基準に考えてみると選びやすくなります。

設置するならどこがおすすめ?

設置場所で迷ったら、まずおすすめしたいのが洗面室や脱衣室です。給排水管が集中しているため床下を確認しやすく、収納としても使いやすい場所だからです。洗剤やシャンプーのストック、防災用品などをしまいやすく、生活動線の邪魔になりにくいのもメリットです。水漏れなどのトラブルが起きた際にも確認しやすいため、設置場所として選ばれることが多くあります。
次におすすめなのがパントリーです。キッチン周辺の配管を確認しやすく、人目につきにくいというメリットがあります。また、階段下収納の中に設置する方法も人気です。収納扉を開けた場所に設置しておけば、見た目もすっきりします。
和室や畳コーナーの畳の下に設置する方法もありますが、最近は洗面室やパントリーを選ぶ家庭が増えています。

設置場所で後悔しやすいケース

床下収納庫や床下点検口は、設置場所によって使い勝手が悪くなることがあります。よくあるのが、荷物をたくさん置く場所に設置してしまうケースです。いざ点検しようと思ったときに、中身を全部出さなければなりません。普段は気にならなくても、実際に点検が必要になると意外と手間がかかります。
また、人が頻繁に歩く場所に設置すると、わずかなガタつきが気になる場合もあります。
さらに、水回りから離れた場所に設置してしまうと、本来確認したい配管まわりの点検がしにくくなることもあります。
目立たないことだけを優先するのではなく、点検しやすいか、収納として使いやすいか、荷物が増えすぎないかといった点も合わせて考えておきたいところです。

🔍ヤマコーワンポイントアドバイス
収納庫の中に重い物をたくさん入れていると、点検のたびに出し入れが必要になります。便利さだけでなく、将来のメンテナンスも少し想像しながら場所を選ぶのがおすすめです。

まとめ

床下収納庫と床下点検口は、どちらも普段はあまり目立たない設備ですが、住まいを維持していくうえでは大切な役割を担っています。
そして知っておきたいのが、見た目が似ていても後から同じように使えるとは限らないという点です。

収納として使いたいのか、それとも点検機能を優先するのか。

打ち合わせではつい後回しになりがちな部分ですが、後から変更しにくい設備だからこそ、工事前に一度考えておく価値があります。これから新築やリフォームを予定されている方は、ぜひ設置場所や使い方まで含めて考えてみてください。
迷ったときは、「将来収納として使う可能性があるか」をひとつの判断基準にしてみると選びやすくなります。

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取締役 山下 大輔

私は元大工で、大工だった父の一番弟子でした。
父の下で建築やリフォーム、マンションや店舗の改装など、さまざまな現場で経験を積みました。
その経験をもとに、店舗や戸建て住宅の建築やリフォーム、リノベーションも多く手がけております。
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