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物件資料に書いてある市街化調整区域って何?買っても大丈夫?

家探しをしていると、時々、広いのに安い!と感じる土地や物件に出会えることがあります。しかし、安い土地や物件には必ず何か理由があるのです。例えばその理由の一つに今回ご紹介する「市街化調整区域」というエリアの物件があります。なかなか耳慣れない言葉ですが、この「市街化調整区域」が安い理由とは何なのでしょうか。今回は、「市街化調整区域」とは何か、その地域だと家を建てるのにどんな制限があるのか、メリットやデメリットについても解説します。ぜひご覧ください。

土地や物件を購入する前に、その場所について把握しておこう

日本は都市計画法に基づいて都市計画区域、都市計画区域外に分かれます。

◆都市計画区域  … 市街地を中心として、総合的に整備や開発していく必要がある都道府県が指定した区域で、国土面積の27%、1,025万ha、人口の94%にあたる 約11,993万人が居住しています。
◆都市計画区域外 … 都市計画区域に含まれない区域で、国土面積の73%、2,755万ha、約719万人が居住しています。
そして、都市計画区域外に、市街化が進行すると見込まれる場合において、土地の利用を規制する準都市計画区域があります。

さらに都市計画区域の中で「市街化区域」「市街化調整区域」「非線引き区域」に区域区分が分かれます。
◆市街化区域   … すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域で、全体の4%の145 万ha、人口は全体の70%の8,936万人が居住しています。
◆市街化調整区域 … 市街化を抑制すべき区域、要するに積極的に開発しない区域で、全体の10%の377 万ha、全体の8%の1051万人が居住しています。
◆区域区分が定められていない都市計画区域(非線引き区域)… 市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない都市計画区域で、全体の13%の503万ha、全体の16%の2,060万人が居住しています。国土交通省ホームページより

こうして見ると国土のおよそ1/4の中に、ギュッと密集して居住しているのが分かります。日本の中で計画なく街づくりが進められると、自然環境の破壊や災害のリスクも高まるなど、さまざまな問題が起きる可能性があります。そのため計画的に街づくりをして、住みやすい環境にしていくため、都市計画法に基づいて定められているのです。この中で、一番人口が多い市街化区域は、市街化を図ろうとしている区域ですので、家や建物、店舗やショッピングモールなど建築することが出来ます。しかし、市街化調整区域は、市街化区域と逆で、市街化を抑制したいエリアです。そのため市街化調整区域では、建築行為が厳しく制限されており、店舗はもちろん、原則住宅を建てることもできません。しかし、市街化調整区域でも建てられる場合もあります。どんな家なら建てられるのでしょうか。

市街化調整区域でも建てられる家の条件とは?

まず建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更を行うには開発許可という都市計画法に基づいた許可が必要になります。許可要件を満たさないものに対しては開発許可は下りないため、原則家を建てられない市街化調整区域は厳しいと言えます。しかし、以下の条件なら建てられる可能性があります。

①宅地利用が認められている土地に建てる
②立地基準を満たした土地の上に建てる
③開発許可が不要な建物を建てる(農林漁業を営む者の居住用建築物)

許可については各自治体の判断によって変わってきます。一つずつ説明します。

宅地利用が認められている土地に建てる

既に現在建物が建っている場合は、宅地利用が認められているということになるため、条件をクリアすることで、開発許可がなくても建てられる可能性があります。しかし、各自治体にもよりますが、あくまで市街化調整区域に住んでいる住民の生活のための物品販売を行う住宅兼店舗や、同じ地域内に住む親族が暮らす分家住宅が対象です。そしてその場合も、開発許可は不要ですが、建築許可は必要となります。

立地基準を満たした土地の上に建てる

開発許可の基準として定められている都市計画法第34条の都市計画法第34条11号の規定に定められた立地基準を満たすと建てられる可能性があります。しかし、自治体は地域特性や住民の意見、環境保護など、さまざまな配慮を考慮に入れながら判断するため、基準を満たしているからといってすぐ許可が出るとは限りません。許可が下りるまでの期間も長い上、立地基準は非常に細かく定められており、各自治体の判断に委ねられているため、どうしても建築したい場合は、十分な期間と、自治体への事前に確認が必要です。

開発許可が不要な建物を建てる(農林漁業を営む者の居住用建築物)

非常に厳しい市街化調整区域ですが、農林漁業を営む人のための居住用建築物であれば、開発許可は不要です。原則として、市街化調整区域では開発許可がないと新しく家を建てることはできませんが、農業従事者、林業従事者、漁業従事者が居住する住宅である場合は例外となり、開発許可不要で、家を建てることが可能です。

市街化調整区域のメリット

市街化調整区域は市街化区域とは異なり、街の発展させずに抑制しようとする区域です。そのため、一般的な地域と比べるとどうしても制限が多くなりますが、それゆえのメリットもあります。

①土地の価格が安い
②土地を維持する税負担が安い
③静かな環境

1つずつみていきましょう。

土地の価格が安い

市街化調整区域は、土地の利用制限がある分、土地の需要が控えめに抑えられていることから、結果として価格が安いという傾向があります。土地の購入費用が抑えられることで、限られた予算であっても、広い土地を手に入れることができるため、より自由度の高い理想の家を建てることが可能です。

土地を維持する税負担が安い

市街化調整区域は市街化区域に比べて土地の評価額が低いことにより、購入後の維持費を軽減できることもメリットです。特に広い土地を購入する場合、維持費が大きな負担になることが多いのですが、税負担が軽い市街化調整区域では、広い土地でもコストを抑えられます。また、場所によっては都市計画税がかからない地域もあります。都市計画税は、先ほど解説した都市計画法により、原則市街化区域内に土地または建物を所有している人に対して課税される税金だからです。しかし、市街化調整区域のうち、条例で定める区域内にある土地及び家屋に対しても所有している人に対して課税される場合もありますので、購入前に確認しておきましょう。

静かな環境

市街化調整区域は、開発や建築が制限されているため、大規模な商業施設や交通量の多い道路が少ないため、騒音や喧騒が抑えられています。そのため、都市部の喧騒から離れ、自然に囲まれた静かで落ち着いた環境で暮らすことができます。特に、リラックスした生活を求めている人や、自然を感じながら生活したいと考えている人にとっては、理想的な環境であると言えるでしょう。

 

市街化調整区域のデメリット

メリットもある市街化調整区域ですが、先ほど解説した通り建築のしずらさといったデメリットも存在します。

①開発許可等の手続きや、建築条件が煩雑
②インフラ整備が整っておらず、利便性も低い
③資産価値が低いため、売却も難しい

1つずつみていきましょう。

開発許可等の手続きや、建築条件が煩雑

先程解説した通り、市街化調整区域の開発許可や建築条件は非常に煩雑です。どうしても開発が制限されている地域であるため、建物を建てる場合は許可が必要になり、手続きに多くの時間と労力がかかります。また、許可が下りたとしても、建築には一定の条件が課されることが多く、自分の希望する家が実現できないケースもあります。また、手続きや条件が厳しいため、自分で対応することが難しく、専門のサポートが必要となるため、その分の費用や時間もかかります。

インフラ整備が整っておらず、利便性も低い

市街化調整区域は基本的に都市の拡大を抑制するために設定されているため、上下水道、ガス、電気といった基本的なインフラが整っていないことがあります。特に新しく住宅を建てる場合、一般的にはインフラ整備を実費で賄う必要があります。また、交通の利便性が悪く、公共交通機関の路線が限られていることも多いため、通勤や通学、買い物に不便さを感じることもあります。

資産価値が低いため、売却も難しい

市街化調整区域の土地は、上記のデメリットを鑑みると資産価値が低くなりやすいため、売却出来ないわけではありませんが、時間がかかり、思ったような価格で売れない可能性があります。また、資産価値が低いということは、銀行側においても担保にしずらいといった理由で住宅ローンの審査に響く、もしくは審査が通らない可能性もあります。

市街化調整区域に住むということを理解しておく

市街化調整区域はいろいろな制限がある地域のため、すぐ家を建築して住みたい人や家の手続きにかかる時間が取れない人には不向きであると言えます。その反面、自然豊かな環境が好きな人、都会の喧騒から離れたい人には向いているでしょう。市街化調整区域は大きな都市開発が行われる可能性も低く、商業施設も少ないため、落ち着いた環境で過ごすことができます。もし、気になった物件が市街化調整区域なのかどうか確認したい場合は、不動産の物件資料の用途地域の欄に記載されています。もしくは自治体に問い合わせることも可能です。土地を買って建築するのであれば、市街化調整区域の条件に合った建築物を建てる必要がありますので、信頼できる工務店にお願いすることをおススメします。

最も大切なことは安心して任せられるリフォーム会社であること

私たちヤマコーでは大工を経験し、その後、現場監督・設計デザインに携わっているスタッフが在籍しております。
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有限会社ヤマコー

取締役 山下 大輔

私は元大工で、大工だった父の一番弟子でした。
父の下で建築やリフォーム、マンションや店舗の改装など、さまざまな現場で経験を積みました。
その経験をもとに、店舗や戸建て住宅の建築やリフォーム、リノベーションも多く手がけております。
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