- 現場レポート
今回は、滋賀県彦根市の戸建て新築工事をご依頼いただきましたので、ご紹介いたします。ずっと「自分たちらしい家を建てたい」と思い描いておられたお客様。ご要望や暮らしのイメージをしっかりとヒアリングしながら、理想の住まいをゼロからつくり上げていくプロジェクトがスタートしました。完成時の快適な暮らしを支えるためには、基礎や配管など、目には見えない部分の丁寧な工事が欠かせません。この記事では、現況の更地から始まり、完成までの工程を詳しくご紹介します。家がどのように形づくられていくのか、その一歩一歩をぜひご覧ください。
K様邸の新築建築工事は、何もない更地状態から始まりました。ここから土地を整備し、基礎工事へと進んでいきます。家づくりは最初の一歩がとても大切。特に基礎工事は「軽く歩いているようでも、進む方向を決める重要なステップ」です。ここでの作業の絶妙なバランスが、今後の家の快適性や耐久性を決めるものになります。
まずは、土地の状態を正しく把握するために地盤調査を行います。建物を安全に支えるためには、しっかりとした地盤が必要不可欠です。調査の結果に応じて、必要に応じて地盤改良や整地作業を行います。造成が完了すると、真っ平らに整えられた敷地が現れ、いよいよ家づくりのスタートラインに立つことができます。
まずは地盤を安定させるため、敷地に砕石を敷き詰めて転圧し、しっかりと固めていきます。これにより、建物の重みを支える強固な下地が完成。次に「捨てコンクリート(捨てコン)」を打設します。これは構造体ではなく、作業基準を明確にするためのコンクリートで、墨出しの精度や作業効率を大きく高めてくれる存在です。その上に防湿シートを敷いて地面からの湿気を防ぎ、さらに鉄筋を配置するための墨出しを行うことで、配筋作業がスムーズに進みます。これらの工程は一見地味ですが、建物の寿命と精度に直結する、欠かせない土台づくりなのです。
この工程では、基礎の構造を支える鉄筋(配筋)を設計図に基づいて正確に配置していきます。鉄筋は建物にとって“骨”のような存在であり、強度と耐久性に直結する非常に重要な部材です。まずはベース部分から鉄筋を組み始め、続いて立ち上がり部分の鉄筋も配置。主筋・補強筋・あばら筋を組み合わせ、継ぎ目やかぶり厚さも図面通りになるよう慎重に施工します。必要に応じて型枠も一部先行して組み立て、コンクリートの流出を防ぎます。すべての鉄筋が組み上がった後には、第三者機関による配筋検査が実施されます。配置・寸法・本数などが適切か、設計どおりかを確認する重要なチェックで、合格して初めて次の工程に進めます。見えない部分の工事こそ、職人の腕の見せどころ。こうした丁寧な工程が、安心で長持ちする建物を支えているのです。
配筋が完了すると、いよいよ基礎の底盤となるベースコンクリートを流し込む工程に移ります。まずはコンクリートが漏れないよう、基礎の外周に木製または鉄製の型枠をしっかりと組み立てます。型枠の中にコンクリートを打設し、職人の手で丁寧に平らに均していく作業は、まさに熟練の技。打設中はバイブレーターで振動を加え、気泡を取り除いて密度を高めるのがポイント。その後は型枠を外さずに「養生期間」を確保し、コンクリートがしっかり乾燥・硬化するのを待ちます。また、コンクリートの強度には気温や湿度などの天候も大きく影響するため、当日の気象条件にも十分な配慮が必要です。建物を支える土台として、ひとつひとつの工程に妥協は許されません。
ベースコンクリートがしっかりと乾燥・硬化した後、基礎の立ち上がり部分の型枠を設置します。天候にも左右されますが、24時間ほどで少しずつ乾燥して固まり始めます。車が通れるようになるまでには、通常1週間ほどの養生期間が必要ですので、住宅の基礎となる部分では、より慎重に養生期間を設ける必要があります。型枠が組み上がると、建物と基礎をしっかりとつなぐためのアンカーボルトを所定の位置に設置します。このアンカーボルトは建物の構造と基礎を結び付ける“命綱”のような役割を持つため、位置や深さの確認をしっかり行います。
十分な養生期間を経てコンクリートの強度を確保したら、基礎の型枠を取り外します。型枠を外した後は、基礎全体にひび割れや欠けがないかを細かくチェックし、施工不良がないかを確認します。あわせて、構造上非常に重要なアンカーボルトの位置と状態も確認します。アンカーボルトは建物の土台と基礎を強固に結びつける役割があり、これがずれたり傾いていたりすると、上部構造の耐震性にも影響を与える可能性があります。一本ずつ丁寧にチェックし、次の土台敷設へ備えます。
基礎コンクリートの上に、建物の土台となる木材を設置する「土台敷き」は、建築における非常に重要な工程です。まずは設計図をもとに墨出しを行い、土台を正確な位置に配置。わずかなズレが後の建築全体に影響するため、慎重に作業が進められます。その後、アンカーボルト用の穴を開けて基礎としっかり連結し、基礎パッキンを挟み込みます。これは通気性を高め、土台を湿気から守るための重要な部材です。最後に大引きと鋼製束を設置。これで床の強度を高めるための骨組みが完成です。
土台敷きが終わると、次は床下に給排水の配管を通す作業に入ります。ここでは、キッチンや浴室、洗面台、トイレなど、水まわりの設備へ水やお湯を届けるためのライフラインを整備します。青と赤のパイプはそれぞれ水とお湯の配管で、図面に基づき正確に配置して固定させます。パイプの位置や勾配を誤ると水漏れや詰まりの原因になるため、細心の注意を払って丁寧に施工します。見えなくなる部分だからこそ、確実な施工が大切です。
床下に配管を通したら、最後に断熱材を敷き詰めます。写真は、スタイロフォーム(押出法ポリスチレンフォーム)と呼ばれる断熱材を敷き詰めている様子です。この断熱材は、冬の底冷えを防ぎ、夏は外気の熱気を遮ってくれる高性能な断熱材。土台や大引きの間にぴったりと収まるよう、ひとつずつ丁寧にサイズを合わせてカットしながら施工していきます。隙間ができないように正確に敷き詰めることが、断熱性能を発揮するうえで重要なポイントです。これで床下空間の断熱対策が完了し、基礎工事全体も一区切りとなります。
基礎工事が完了すると、いよいよ建物の“骨格”となる柱や梁の組み上げ=上棟作業がスタートします。大型クレーンを使って、1階から屋根部分まで一気に組み立てていくこの工程は、建築の中でもダイナミックで迫力のある瞬間。この工程で建物全体の骨組みが組み上がり、これまで図面や基礎だけで見えていたものが、一気に「家のかたち」として現れてきます。雨対策も考慮しながら、安全に丁寧に進めることがポイントです。
骨組みが完成したら、屋根の下地を施工していきます。ヤマコーでは、棟上げの直後に屋根工事へと進み、防水処理までを一気に完了させるようにしています。これは高所作業を伴う棟上げが、天候の影響を受けやすく危険も多いため、できるだけ安全かつ効率的に作業を進めるための工夫です。屋根ができることで、内部の構造や資材を雨から守ることができ、現場全体の進行がスムーズになります。また、この段階で柱や梁の接合部には金物補強を行い、耐震性も強化。見た目に派手さはありませんが、こうした下支えこそが、安心して長く暮らせる住まいの土台となっていくのです。
柱と柱の間に、採光や通風を担う窓の設置が行います。建物の骨組みが完成したこの段階で、設計図に基づき、開口部に窓を取り付けるための下地づくりがスタート。窓はサイズや設置位置によって光の入り方や視線の抜け方が変わるため、高さや水平の微調整がとても重要です。高窓やスリット窓などは、柱間にぴったりと納まるように木材で枠を組み、高さを合わせて固定していきます。この精密な作業により、室内に光や風を効率よく取り込む快適な住まいが形づくられていきます。
床・壁・天井に断熱材を敷き込む断熱工事は、住まいの快適さを左右する大切な工程です。隙間なく丁寧に施工することで、断熱性能を最大限に発揮させ、夏は涼しく、冬は暖かい空間づくりを目指しました。断熱性が高まると冷暖房の効きが良くなり、エアコンがない部屋でも快適になります。また、室内の温度差も小さくなるため、結露の発生も抑えられ、カビやダニの予防にもつながります。断熱はデザインや間取りと並んで、快適な住まいづくりに欠かせない要素。特に日本のように暑さや湿気の多い気候では、断熱性能の高さが家の寿命にも影響してきます。
壁面の下地を整えると同時に、電気配線やスイッチ・コンセントの位置も事前に仕込んでいきます。お部屋の壁や天井をつくる前に、線や配線ボックスをすべて中に隠すことで、見た目もスッキリと美しく仕上がります。これらの作業は単に設備を収めるだけでなく、お客様がどのように生活するのか、家具の配置や家電の使い方をイメージしながら位置を決定。暖房や冷房の配管位置も含め、事前の打ち合わせをしっかり行うことで、使い勝手の良い住まいに仕上がります。こうした下準備を丁寧に行うことが、内装仕上げの質や暮らしやすさに大きく影響するのです。
床に電気式の床暖房シートを敷き込み、その上に化粧フローリングを一枚ずつ丁寧に施工していきます。冬場も足元からぽかぽかと温まり、体感温度がぐっと快適になる人気の設備。今回は断熱材とあわせて床暖房を導入することで、省エネ性と快適性を両立した住まいを目指しました。写真では、職人が仕上がりの目地やレベルを確認しながら丁寧に施工中。隙間なく美しく敷き詰めることで、後の内装にも影響しない仕上がりになります。見た目の美しさと、使い心地の良さを兼ね備えた住まいづくりの一コマです。
キッチンやお風呂など、暮らしに欠かせない住宅設備を順次設置していきます。写真はユニットバスの設置風景です。床・壁・天井・浴槽などを現場でパズルのように組み立てていきますが、まず大切なことは“下準備”。搬入前には床や周辺をしっかりと養生し、壁面には吸音材を敷き込みます。この吸音材は、浴室内の音の反響や残響を抑える働きがあり、シャワー音や話し声が響きすぎない快適な空間をつくる重要な役割を担っています。その後、壁パネルを順に取り付け、水平・高さを確認しながら浴槽を設置。見えないところにも気配りを込めた丁寧な作業で、「暮らしやすさ」をカタチにしていきます。
ご家族の将来を見据えたバリアフリー設計の一環として、ホームエレベーターを導入されたので、設置していきます。限られたスペースの中に専用の昇降路を確保し、そこへ昇降装置を設置していきます。写真は、ワイヤーや制御装置を組み込む工程の様子。わずかなズレも許されないため、水平・垂直の精度を何度も確認しながら進めていきます。電気配線や安全装置も一体となっており、万が一に備えた構造となっています。階段での移動が難しくなっても、安心して暮らし続けられる住まいになります。
勝手口まわりの土間づくり作業です。ここは日常的に出入りが多く、靴の脱ぎ履きやゴミ出し、荷物の搬入など、暮らしの中で“地味に重要”な場所です。まずは砕石をしっかりと敷き込み、地盤を締め固めたあと、コンクリートのひび割れを防ぐためにワイヤーメッシュ(鉄筋)を配置。これはコンクリートの耐久性を高めるために欠かせない工程です。この下地づくりがしっかりしていることで、最終的に仕上げるタイルや床材の状態も美しく長持ちします。
玄関ポーチまわりに、タイルを施工していきます。下地モルタルを塗布し、タイルを正確な位置に並べた後、仕上げとして目地部分にモルタルを詰めていきます。職人が隅々まで丁寧にスポンジでふき取りながら、ムラのない美しい仕上がりに整えています。排水口まわりもきちんと納まり、雨天時の水はけにも配慮。タイル仕上げは、見た目の美しさはもちろん、滑りにくさやメンテナンス性にも優れた素材として人気があります。一見シンプルな工程に見えても、職人の経験と技術が問われる重要な作業です。
✨ 次回予告 ✨
次回からは、いよいよ完成後の様子をご紹介します。
細部までこだわった外観や、暮らしやすさを追求した室内空間など、お客様の想いがかたちになった“住まいの完成形”をたっぷりお届けします。
これまでの工事を経て、どんな家ができあがったのか——ぜひご覧ください!
私たちヤマコーでは大工を経験し、その後、現場監督・設計デザインに携わっているスタッフが在籍しております。
そのため「家の造り方」を知り尽くしており、お客様の大切な家の長期的なアフターフォローも含めて、家をトータルでサポートするサービスを提供しております。
私たちヤマコーは、その場のリフォームに満足していただくだけではなく、安心してお住まいになるために長期的なサポートをしております。
大切な家のリフォームを安心して任せられる会社であるために3つの大切にしていること
・その場限りのリフォームを提案しないこと
・ご要望とご予算のバランスを考えた最適な提案をすること
・施工クオリティは地域NO.1であること
より良い家の状態を保つためには、数年後、数十年後を見据えた提案が必須です。
その場限りのリフォームでは安心してお住まいになることはできません。
言い換えれば、ご心配されていることは今すぐ必要な工事ではないかもしれません。
私たちヤマコーはお客様目線を追求し、「安心できる住まい」を軸に、家の状態とご要望、そしてご予算において最適な提案をいたします。
信頼関係をもとに、ご納得のプランニング、高い施工クオリティ、アフターフォローでお客様に満足を超えた感動を保証いたします。
リフォームをお考えの際には是非一度ヤマコーへご相談ください。
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